2006年5月24日 (水)

会社法施行を理由とした振り込め詐欺に注意

 法務省が、会社法施行を理由とした振り込め詐欺についての注意を呼びかけています。各種調査によると、会社法施行に対する認知度は、従来の商法改正などよりも高いことが明らかになっています。しかし、会社法の施行に伴い、企業が実施しなければならない対応や、実施する必要がないことについての周知は徹底されているとはいえません。今回の振り込め詐欺は、こうした状況につけ込んだものです。

-法務省のサイトから引用-
 最近,司法書士等を名乗る者から,会社法の施行に伴い登記が必要なので,そのための登記費用の振込みを求められたとの情報が寄せられています。
 すでに登記をしている会社のうち,資本金の額が5億円以上の会社等の一部の会社を除き,会社法等の施行に伴う必要な登記については,登記官が職権で登記をしますので,新たに登記の申請をしていただく必要はありません。
 会社法施行に伴い登記官が職権で登記する内容等については,法務省ホームページをご覧になるか,管轄の法務局にお尋ねください
-以上、引用終わり-

 基本的に、一般的な中小企業においては、会社法施行に伴う登記は自動的に行われるため、登記等に係わる費用が発生することはありません。もし、登記をすることが必要な場合があったとしても、それは企業が明確な意図をもって会社法で定められた各種規定(取締役1人の規定や監査役非設置の規定など)を利用するために、定款変更を自主的に実施する場合のみです。もちろん、司法書士等が依頼もしていない登記費用の請求をすることもありません。

 このような詐欺に引っかからないよう十分に気を付けてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月17日 (水)

会社法、中小企業では「対応検討していない」が約半数

 このたび帝国データバンク(TDB)が「会社法に関する企業の意識調査」の調査結果を公表しました。この調査は、会社法に対する認知度や対応の有無などについて、全国2万262社に調査を実施し、9445社から回答を得たものです。

 5月1日より施行された会社法は、すべての企業に関わる大改正であり、新聞やテレビなどのメディアでも大きく取り上げられています。しかし、同調査結果によると「2006年5月1日に会社法が施行されることを知っていた」企業は89.2%。1割強の企業が「知らない」か「関係ない」と思っていたようです。

 会社法への対応については「検討している(検討予定含む)」企業も46.5%ありましたが、逆に「検討していない」企業が44.4%あり、特に中小企業では「検討していない」企業が51.5%と半数を超えました。また、業種別に見ても金融やサービス業では「検討している」企業が多いのに対し、建設業や農林水産業では「検討していない」企業が多いなどの差が見られます。現時点においては、会社法に対する取組み姿勢に企業規模や業種による大きな温度差があるようです。

 なお、同調査では会社法施行による日本経済への影響についても調査しています。その中で気になるのは、「企業増加による競争激化」についての懸念を尋ねた質問です。会社法では最低資本金制度が撤廃され、取締役一人でも設立できるなど、従来に比べて会社が設立しやすくなっています。そのため、会社乱立により企業間競争が激化したり、業界内の信用不安が生じるのではないかと不安視する声があります。

 しかし、同調査結果において「懸念は大きい」とした企業は7.1%で、「懸念は小さい」とした企業の59.2%を大きく下回りました。ぽっと出で通用するほどビジネスは甘くないということでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月26日 (水)

新しい設備投資を税金面で応援

 自民党税制調査会は、国際競争力を高めようと、設備投資を促進させるインセンティブを考えている。新たな設備投資を活発に行う前向きな企業を税金面で応援する制度を、来年度の税制改正大綱に盛り込む考えだ。

 現行の設備投資に関する税制は、法令で定めた耐用年数(主な機械装置)が、欧米が7~8年のところ日本は10年と長い。その結果、設備投資の回収に3、4割余計に時間がかかっている。ところが周知の通り、世の中は技術革新のスピードが高まっている。

 老朽化した設備をいつまでも使っていたのでは企業間競争に負けてしまう。企業は、新しい優れた機能の設備に資金を向かわせざるを得ない。企業の事実上の耐用年数は短縮化しているのである。ところが、日本の税制はそうした現状への対応が遅れ、40年以上の間、法定耐用年数をフォローせず、日本の企業は国際競争力の観点から不利なまま放置されてきた。
 現行の設備投資に関する税制上のもう1つの問題は、設備の残存価格を10%に設定している点だ。残存価格とは、除却すべき設備のスクラップ価格のことだが、社会情勢が変わり、企業が保有する設備の売却価格の平均は、取得価格の0.34%に過ぎない。10%では高く見積もり過ぎている。会計上、設備の回収は減価償却によって行うが、この減価償却の限度額は、10%を超え5%まで可能としてきた。それでも現状にはまったく合わない。欧米では全額償却が一般的だからだ。
 今回の税制改正では法定耐用年数を短縮化し、また、残存価格をゼロ(円)にしようとしている。国際競争力強化の観点から、これで漸く欧米並みに追いつく。地球が一つの経済社会になってしまった以上、是非そうしてもらわなくてはならない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年3月25日 (土)

会社法施行後の登記変更は必要?不必要?

 会社法の施行が5月にほぼ決まったことから、話題の焦点は会社法施行後の実務面へと移行しつつあります。
 その一つが会社法施行後の定款や登記の扱いです。法務省のホームページ内にあるQ&Aを見ると、「会社法が施行されると、登記の申請が必要となるのか」という問いに対し、「大多数の会社については、新たに登記の申請をする必要はありません」と回答されています。

 しかし、「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」では、会社法施行以降は、登記の変更をしない限り、すべての株式会社は新しい登記事項において「取締役会設置会社」「監査役設置会社」「株券発行会社(株券不発行の定めが無い場合)」とみなされることになっています。また、同法律では定款についても同様の事が規定されています。

 会社法では、非公開の中小企業において取締役会や監査役の設置が任意となりました。これは、中小企業の実情に合わせた改正といわれています。ただ、同法律を見る限り、何もしなくてもこの恩恵を受けられるのではなく、やはり定款や登記の変更が必要になると思われます。この他、役員の任期を延ばすこと、株主総会の手続きを簡単にすること、商号を変更すること、資本金を変更することなど、会社法で可能になった有利な変更なども定款の変更が必要です。(株券発行の定めについては、既に法的整備がされていることから影響は無いと言われています)

 我が国では、大半の株式会社が非公開の中小企業であることを考えると、大多数の会社では「登記や定款の変更が必要」と言った方が適切なような気がするのですが・・。

| | コメント (0)